内科/肺年齢って何?

肺年齢って何?

 一般に血管年齢や骨年齢はよく知られていますが、「肺年齢」をご存知でしょうか?

肺は、息をすることで空気中の酸素を取り入れ、いらなくなった二酸化炭素を外にはき出す大切な働きをしています。絶え間なく働いているので、20歳前後をピークに年齢とともに肺の働きが徐々に低下してきます。この肺の老化の程度を年齢で表したものが「肺年齢」です。

具体的には、肺の働きを調べる呼吸機能検査を受けることで知ることができます。息を最大に吸い込んだ状態から可能な限り吐き出した時の量である「努力肺活量」と、1秒間に吐き出せる息の量である「1秒量」を測定し、身長、性別、年齢を参考にして「肺年齢」を計算します。実際の年齢と同じかそれより若い場合は肺が健康と言えますが、高くなった場合には肺に問題があると考えられます。従って、「肺年齢」は自覚症状に頼らないで、見た目では判らない肺の健康状態を知る目安になります。

「肺年齢」を若く保つには、何と言っても禁煙が大切であり、散歩や適度な運動などで呼吸筋を鍛えることも効果があります。また、規則正しい生活、充分な栄養や睡眠も大切です。毎年5月9日は「呼吸の日」となっていますので、自分の「肺年齢」を調べてみてはいかがでしょう。

「肺年齢」を把握することは、病気の予防や早期発見につながります。タバコを吸っている方や呼吸器の病気を持っている方には特におすすめですので、かかりつけ医や呼吸器専門医にご相談ください。(2014年放送)