肺炎球菌ワクチン
肺炎はウイルスや細菌などによって起こる感染症です。若い人ではマイコプラズマ肺炎が多いのですが、高齢者では細菌性肺炎、特に肺炎球菌による肺炎が最も多く、細菌性肺炎の30%以上が肺炎球菌による肺炎です。
成人の肺炎を予防するワクチンとして実用化されているのが肺炎球菌ワクチンです。現在は65歳以上の人や慢性の呼吸器や心臓の病気、糖尿病や腎臓の病気などを持った人にワクチンの接種が推奨されています。日本の研究で、このワクチンを接種することによって高齢者の肺炎球菌性肺炎が減少することが明らかとなっています。さらに、肺炎を予防することによって、高齢者の医療費の削減にも効果があるとされています。このような研究結果を反映して、2014年の秋からは肺炎球菌ワクチンはこれまでの任意接種から定期接種のワクチンになる見込みです。
ワクチンの副作用としては、ワクチンを接種した場所が腫れたり熱を持ったりすることがあります。まれに、ひどく腫れることもありますが、比較的副作用の少ない安全性の高いワクチンです。
肺炎球菌ワクチンはワクチンを接種した後5年間有効とされており、5年間たったら再接種することが可能です。日本での研究を含めて、インフルエンザワクチンとの併用が肺炎の予防に役立ちますので、毎年のインフルエンザワクチンの接種も合わせておすすめします。実際に接種する際にはかかりつけの医療機関などで相談していただき、予約して接種してください。(2014年放送)