歯科/子どもの顎の大きさ

子どもの顎の大きさ

 今の子どもたちは、顎が小さくなっているとよくいわれます。実際、原始的な狩猟生活をしている人たちの顎はかなり大きくしっかりしていて、歯の並ぶ骨に余裕があり、現代人によく見られる八重歯のような歯のでこぼこや極端な出っ歯もほとんど見ることができません。しかし、この様な人たちも、その食生活を含めて近代化されると、次の世代つまり子どもたちには、現代人と同じ歯のでこぼこが現れます。

よく噛んで物を食べるということは大切なことですが、そうすれば歯並びが悪くならない位に顎は十分成長できるかというと、実際にはそううまくはいきません。原始時代にあったような堅い食物を、顎を使いよく噛んで食べるような努力が必要となりますが、今の食べ物では難しいといえます。

「乳歯の時にきれいに並んでいる」というのは、実は顎が小さい証拠です。乳歯は、より大きい永久歯に生え替わりますから、乳歯の時は隙間だらけなのが望ましいのです。さらに、永久歯も長い年月とともに、前の方に移動してくるので、徐々に歯並びは悪くなります。

矯正治療は、この様な長期的な変化も見越して行う必要があります。最近、「歯を抜かない矯正治療」というのをよく見かけます。これは、歯が並んでいる部分を広げる方法を利用しますが、骨の基礎部分は大きくできず、適応範囲が限られます。実際には、今の子どもたちの場合、歯並びを治すために永久歯の抜歯が必要となるケースが半分ぐらいあります。(2013年放送)