タバコと歯周病の関係
タバコががんや心臓病、喘息など、多くの病気の原因になることはよく知られていますが、お口の中の病気の1つ、歯周病を悪化させる原因にもなることは、ご存知でしょうか?
歯周病は、歯の周りの組織が、歯垢の中の細菌に感染して起こる病気です。歯みがきの時に歯ぐきから出血する、口臭が強くなる、歯ぐきが腫れ、歯がグラグラして浮いた感じがするといった症状が見られます。治療せずにそのまま放置すると、歯を支えている骨が破壊され、歯が抜け落ちてしまいますが、タバコを吸う人は、吸わない人に比べて、2倍から9倍もこの歯周病にかかりやすいことが分かっています。これは、タバコの煙に含まれる有害物質によって、歯ぐきの血液循環が悪くなったり、免疫力が低下したりするからです。このため、タバコを吸う人では、歯周病が進行しても症状に気付きにくく、どんどん病気が進行してしまいます。また、1日のタバコの本数が多いほど、歯周病の症状が重くなります。
さらに、タバコは歯周病の治療にも悪影響を及ぼします。タバコを吸う人が歯周病の治療を受けても、治りが悪いことが分かっています。その結果、吸わない人よりも通院が長くなり、治療費が多くかかってしまいます。
禁煙することで、歯周病の治りがよくなり、歯を失うことを予防できます。タバコを吸う人は、歯科医院で歯周病の検査を受け、禁煙外来を行っている医療機関で禁煙することをおすすめします。(2013年放送)