頑固な皮膚の痒み
この頃身の周りに、痒みを訴える方が増えていませんか。空気の乾燥する冬場には、赤ちゃんや高齢者、アトピー性皮膚炎の皮膚は乾燥しがちです。乾燥した皮膚は、神経を成長させる成分が増え、痒みを感じる皮膚の神経が皮膚の表面までどんどん伸びていきます。皮膚の表面に達した痒み神経は、弱い刺激に反応するため、ちょっと服で擦れただけで痒くなるのです。
痒いからと、むやみに皮膚を掻いては、なおいけません。強い刺激を繰り返すと、痒みを伝える中枢神経の活動が高まります。垢すりや乾布摩擦、ナイロンタオルなど、無茶な刺激はやめましょう。引っ掻くと、皮膚の防御機能が破壊されて湿疹になります。湿疹は早めにしっかり治療しないと、掻いて悪化し、さらに痒みが増すという悪循環に陥りがちです。こうなると、市販の薬では効かなくなるので、専門医を受診してください。
痒み神経の活動には、湿度の他に温度も影響します。寝る前は体温が上がり、特に痒みが強くなります。痒みを抑える飲み薬は眠気が出やすいので、寝る前に飲むと効果的です。お風呂に入ることは皮膚の水分補給や、新陳代謝に欠かせません。刺激にならない位にぬるめのお湯、42度以下を目安にしましょう。熱い湯は避けましょう。石鹸は刺激の少ない弱酸性のものを少量、よく泡立てて使い、きちんと洗い流します。入浴後は早めに軟膏やクリームで、皮膚をしっとり保ちましょう。(2013年放送)