泌尿器科/血尿

血尿

 血尿とは尿に血液が混じった症候です。腎臓の糸球体で血液が濾過されて原尿ができる時に、腎炎などの糸球体の病気があると出血し血尿が出ます。また、尿の通り道である腎盂、尿管、膀胱、尿道などに出血を起こすような病気があれば、血液が混じる場合があります。

血尿の診断は、試験紙法による尿潜血反応によってスクリーニングされます。陽性の場合には顕微鏡を使った尿沈渣検査による確認が必要です。顕微鏡による400倍強拡大、一視野あたりに、赤血球が5個以上を血尿とします。尿の沈渣検査は、赤血球形態の観察と赤血球円柱の有無、白血球、各種の塩類、細菌を観察します。また、尿の中の上皮細胞の異型性を調べることがあります。

血尿の原因は、腎臓の糸球体出血による腎炎などの腎臓内科の病気と、尿ができてから血液が混じる、例えば尿路結石や膀胱がんなどの泌尿器科の病気に分けられます。尿の沈渣検査だけで内科的な病気か泌尿器科の病気か見極められる場合があります。

尿の沈渣はできるだけ新鮮、排尿後数時間以内でなければなりません。翌日ともなると、かえって誤った判断をする可能性があります。血尿の原因となる病気が明らかでない場合は、尿の沈渣検査を繰り返し受け、丁寧な経過観察が重要です。(2013年放送)