頸(くび)の腫れ
一般的に首と呼ばれる頸部は頭と胴をつなぐ領域をさします。この頸部にできる腫れについては、小児科、内科、外科、歯科などでも扱うため、どの科を受診すればよいのか迷いますね。
頸部の腫れの原因は耳鼻科の病気が多いのです。この理由は息をする、食事を摂る、声を出すといった人間にとって大切な生理機能の病気を総合的に扱う科が耳鼻科であり、頸部も関連しているからです。
皮膚から直接触れることのできる唾液腺と甲状腺があり、これらが腫れることがあります。また、頸部にはリンパ節があり、このリンパ節が網の目のように張り巡らされています。このリンパ節が腫れてきます。「リンパ腺が怒った」と表現するのは、扁桃腺などの炎症のために頸部リンパ節がころころ累々と触れた時です。いずれにしろ頸部の腫れは炎症か、あるいはがんなどの腫瘍かの診断が大事になります。
絶対に見落としていけないのは、がんです。頸部の腫れだけで痛みがないと放置して、治療時期が遅れる場合があります。
腫れは深い所にあったり肥満があると触りにくいものです。気になる頸部の腫れを見つけたら、まずかかりつけの医師に診察してもらい、問題あれば耳鼻科専門医に紹介してもらってください。(2013年放送)