婦人科/セックスレス夫婦へのアドバイス

セックスレス夫婦へのアドバイス

セックスレスとは、日本性科学学会の定義によると、性交に近い性的接触が月1回以下、さらにそれがかなり長期間にわたることが予想される状態とされています。パートナーのどちらかがその状態に問題を感じている時に、治療やカウンセリングの対象となります。性は個人的なことですから、カップル2人ともそのことを問題に感じていない場合は治療などの必要はありません。

問題とされる場合、カップルの状況すなわち①男性の問題なのか女性の問題なのか②性的欲求があるのかないのか③欲求はあるけれども性交ができないのか④妊娠の希望があるのかないのかが重要な4点です。

性は人間関係の延長ですから、カップルの人間関係のトラブルが格別に性問題にフォーカスされている場合もあります。現在多いうつ状態ではその初期に性的欲求が低下し、症状の改善とともに性的欲求が回復します。また最近、結婚後、男女愛から家族愛や肉親愛に愛情変化し、性を避けるカップルも増加しているという報告もあります。

おふたりで先の4点を検討し適切な治療機関すなわち産婦人科、泌尿器科、心療内科いずれかにご相談されることが理想的です。しかし多くのカップルは問題に向かい合うことを先送りすることが多く、産婦人科では、不妊治療の経過中にセックスレスが初めて明らかにされることをしばしば経験します。片方のパートナーは問題に感じていないことも多く、悩んでいる方は、話しやすい医療関係者や日本性科学学会カウンセリング室などにご相談ください。(2013年放送)