婦人科/陰部が痒い―女性編―

陰部が痒い ―女性編―

 痒みの原因は様々ですが、若い年齢層に多いのは、感染症の痒みです。原因となるのは、カンジダ菌、トリコモナス原虫、ヘルペスウイルス、パピローマウイルスおよび皮膚の雑菌などです。その中でも比較的多いのが、カンジダ菌によるもので、疲れの蓄積、免疫力の低下、糖尿病および抗生剤の服用などが原因となります。このカンジダ菌による皮膚炎に対して、一般的にいわれている「痒み止めの軟膏」を使用すると、かえって症状が悪くなることがあるので、専門医の診断を受け、適切な薬剤を使用することが大切です。

一方、高い年齢層では、感染によるものは少なく、女性ホルモンの低下による、皮膚の脂(あぶら)分の減少や皮膚の水分の低下による、皮膚の渇きが原因で、しばしば痒みを自覚します。

化学繊維、洗剤、薬剤が原因でのアレルギー性の痒みもあります。また、治療に対して、痒みの症状が改善せず、慢性化したりする場合、まれに、悪性腫瘍になる前の症状であることもあります。この場合、外陰部の細胞の検査や組織の検査により詳しく状態を知る必要があります。

このように、原因をはっきりさせて、それぞれにあった治療をしていくことが大切です。まちがった対応により、かえって病状が悪くなることもありますので、早目に婦人科などの専門医を受診してください。(2013年放送)