形成外科/デュプイトラン拘縮(手のひらの小さなしこり)

デュプイトラン拘縮(手のひらの小さなしこり)

 最初手のひらに小さな固いしこりができ、指に向かって皮膚がひきつって、指が少しずつ曲がっていき、自分では伸ばせなくなる、これが典型的なデュプイトラン拘縮の症状です。この病気を報告したフランス人の名をとってつけられました。

手のひらには皮膚の下に腱膜という白いすじ状のものがありますが、皮膚と強く結合して皮膚が動きすぎるのを防いでいます。この腱膜が固くなって縮み皮膚を巻き込むことで、拘縮が起こってきます。高齢の男性に多く、薬指、小指によく見かけますが、場合によっては、両手にできたり、足の裏にできたりすることもあります。病状が進行しない人もいるのですが、一般的に数年で症状が進み、指のつけねの関節を中心として指が曲がったままになります。

腱膜に異常が起こる原因は、けがやアルコール、糖尿病などとの関連がいわれていますが、いまだにはっきり分かっていません。従って、腱膜が縮むのを止める方法は今のところなく、治療は曲がった指が伸びるように手術で腱膜をとることになります。腱膜以外に異常はないため、手術をすれば元のように伸びるはずですが、指が曲がったまま放置しておくと関節が固くなってしまい手術をしても伸びません。

もし、思い当たる症状があるようでしたら、早めに形成外科や整形外科の専門医にご相談ください。(2013年放送)