整形外科/転ばないためのリハビリ

転ばないためのリハビリ

 長寿社会になり健康寿命の大切さが認識されていますが、この健康寿命を脅かすものとして転倒が挙げられます。転倒し骨折すれば、例え手術が成功したとしても、寝たきりになったり、身体機能が低下し、介護が必要になるかも知れません。

転倒を予防するためには下半身を中心とした筋力強化とバランス能力を高めるリハビリが必要です。ストレッチ、ラジオ体操、ウォーキングなどはよい方法であり、現在行われている方はぜひ継続してください。しかし膝や腰が痛くてできない場合、あるいは最近足腰が弱ってきた感じがする方は、気を付けた方がいいでしょう。

日本整形外科学会では2007年にロコモーティブシンドロームという概念を提唱し、転倒に結びつきやすい7つのチェック項目と、転倒予防のためのトレーニング方法を推奨してきました。片足立ちができるか、15分の連続歩行ができるか、階段を上るのに手すりが必要か、などをチェックし、実際の運動では片足立ちやスクワットを指導します。体のバランスの悪い方には椅子を使った訓練方法もあります。

まずは整形外科を受診して、骨、関節、靭帯などを評価してもらい、状況に応じたリハビリ内容を提示してもらったらいいでしょう。これらは毎日行う必要がありますが、継続できない方は機械を使った運動を組み合わせるのも1つの方法です。

適切な運動量には個人差があり、体調や病気の内容でも変わってきますので、整形外科専門医によく相談してください。(2013年放送)