肘が痛い(テニス肘)
肘の痛みで受診される患者さんの中で、一番多い病気はテニス肘です。40歳代から60歳代を中心に、女性に多い傾向があります。手のひらを前に向けた時の肘の外側つまり親指側の骨のでっぱりの部分を中心に、重い物を持ったり、タオルをしぼったりする動作で痛みが強くなります。テニス選手に多いことからテニス肘の名前がついていますが、90%以上は、スポーツ活動に関係なく起こります。原因は腕の使い過ぎなどにより、腱や筋肉がひっぱられ、肘の骨とのつなぎめで炎症が起こるためとされています。
ほとんどは、痛みのある肘の安静と痛み止めの飲み薬、湿布、超音波などの治療で改善します。痛みが強い場合は、ステロイドと局所麻酔剤を混ぜたものを痛い場所に注射したり、短期間ギプスをしたりします。肘を伸ばした状態でゆっくりと手首を上げたり、下げたりするストレッチが有効です。6カ月しても痛みが全くとれないような場合には、肘の骨のでっぱりの部分を削ったりする手術が行われることもあります。日常生活では、肘を伸ばした状態で買い物袋など重いものを片手で持たない、物を持ち上げる際は、手のひらを体の正面前方に向けることなどを心がけるといいでしょう。そのほかに肘の痛みが出る病気としては、肘の変形や関節リウマチ、神経の圧迫などがあります。まずは、お近くの整形外科の医師にご相談ください。(2013年放送)