外科/危険な頭痛

危険な頭痛

 頭痛は危険のない頭痛と命に関わるような危険な頭痛に大きく分けられます。今回は危険な頭痛についてお話します。まず脳卒中と呼ばれる脳血管障害ですが、中でも、くも膜下出血が重要です。これは多くが脳動脈瘤という脳血管の膨らみが破裂して起こります。最初の症状は、今までに経験したことのない、殴られたような激しい頭痛が特徴です。その後に再び破裂すると急速に意識がなくなり、重症化しますので、一刻も早い診断と治療が必要です。脳内出血でも強い頭痛だけが症状のこともあります。脳血管がつまって生じるのが脳梗塞ですが、大きい血管がつまると強い頭痛の後に麻痺や意識障害を起こすことがあります。

脳腫瘍による頭痛は筋肉の緊張による危険のない頭痛に似ていることがありますが、次第に強くなって、手足の麻痺など脳の症状を伴ってきます。頭痛が早朝に毎日起こり、吐き気を伴う場合は脳の圧が高くなっている危険なサインのことがあります。

頭を打って1、2カ月後に頭痛が強くなった場合、脳を圧迫する血液が溜まり、慢性硬膜下血腫を起こしていることがあります。高齢者に多く見られますが、若い方にも起こります。髄膜炎も強い頭痛が見られます。これは発熱を伴うことが多いですが、頭痛だけのこともあり血液や髄液の検査が必要です。

強い頭痛や慢性的な頭痛は危険な頭痛のことがありますので、専門医にご相談ください。(2013年放送)