外科/知っておきたい病気―総胆管結石

知っておきたい病気―総胆管結石

 総胆管とは肝臓と十二指腸を繋ぐ管で、肝臓で作られた消化液である胆汁の十二指腸までへの通り道です。この総胆管にある石を総胆管結石と呼びます。総胆管の途中より、胆汁の一部を貯めておく胆嚢という袋が分かれています。胆嚢にできた石が動いて総胆管内に落ちることが多いようです。胆嚢に石を伴っていることが多いのですが、総胆管結石のみの場合もあります。

総胆管結石の症状としては、みぞおちやその右側の痛みがあります。また嘔気(はきけ)や発熱、尿や体が黄色くなる黄疸などが出る場合もあります。診断には血液検査、超音波、CT、MRI、内視鏡検査などが行われます。総胆管結石の中には自然に十二指腸へ流れ出るものもありますが、感染を起こしますと、急激に病状が悪化することがあります。特に総胆管がつまって、胆汁が化膿した場合には命に係わることもあります。

治療は、最近では内視鏡を用いた治療が中心となっています。十二指腸にある総胆管の出口の穴を、内視鏡で見ながら、電気メスで切り開いたり、カテーテルについた風船で拡げます。拡がった穴より石を砕いたりしながら採り出します。石の状態や患者さんの状態により内視鏡での治療が難しい時には、腹腔鏡を用いる手術やお腹を開く手術で総胆管を切り開いて石を取り除きます。重症化することもある病気ですので、適切な治療を行う必要があります。総胆管結石と診断されたら、症状がなくても消化器の専門医とよくご相談されることをおすすめいたします。(2013年放送)