精神科/摂食障害

摂食障害

  テレビでは痩せた女優やモデルの人気が高く、「痩せている=美しい、太っている=醜い」といったイメージが定着し、ダイエット食品は飛ぶように売れ、やせるための本はベストセラーになっています。こうした社会的風潮は、近年摂食障害の増加に大きな影響を及ぼしています。

摂食障害は主に思春期に発症し、よかったり悪かったりを繰り返しながら長い経過をたどる病気です。「拒食症」と「過食症」の2つに大きく分けられ、この2つを繰り返すタイプもあります。

拒食症は、意図的に食事量を制限し、体重を減らそうと必死になります。他者から見るとスリムなのに、自分では「太っていて醜い」と思ってしまう、ボディイメージのゆがみがあります。発症年齢は低年齢化し、学童期の増加が問題となっています。

過食症は、短時間に大量の食べ物をむちゃ食いし、それに引き続いて自ら誘発して嘔吐を行います。夜中にコンビニに走り、大量の弁当を買って食べて吐く、といった例もあります。繰り返す嘔吐のため、胃酸で歯がぼろぼろになっていることもあります。過食と嘔吐を繰り返すことにより、栄養状態が悪化したり、体の中の電解質のバランスが崩れ、特に低カリウム血症になると心臓の機能が低下し、命の危険を招くことがあります。

摂食障害はうつ病やパーソナリティ障害など別の精神科の病気を併発することもありますので、早期に専門医を受診して適切な治療を受ける必要があります。(2013年放送)