小児科/子どもの肥満

子どもの肥満

 最近の子どもの肥満の特徴は、食べ過ぎているわけでもないのに、運動不足や生活習慣の変化で消費するカロリーが減り、肥満になってしまうといわれています。子どもの肥満のほとんどは病気を合併することはないのですが、それでも時に糖尿病、高脂血症、脂肪肝、高血圧、睡眠時無呼吸症候群などがみられます。そのほか、運動能力の低下によるけがや外見上のコンプレックスからくる精神的問題、太っているためのいじめや不登校などにつながる場合もあります。

また、肥満の子どもの60から80%が成人肥満に移行してしまい、大人になって成人病や生活習慣病に直結することも問題となっています。最近では、肥満の子どもは大人になって痩せたとしても成人病のリスクが高いことが分かってきました。

肥満解消には食事、運動、生活習慣の改善が原則です。食事は、子どもの成長に必要な栄養のバランスに配慮することが大事で、極端な食事制限やダイエット食品に頼ることなどは控えましょう。お菓子の買い置きなどにも注意しましょう。運動は長期間楽しく続けられるものを見つけてあげましょう。それには家族や周囲のサポートも必要です。生活の改善としては、テレビやゲームばかりで家でゴロゴロしていることが多いお子さんには、お手伝いや体を使った遊びなどでできるだけエネルギーを消費させるようにしてあげましょう。肥満による健康障害が気になる方は早めにかかりつけの医師に相談してください。(2013年放送)