小児科/乳幼児の貧血

乳幼児の貧血

 顔色が悪い、皮膚が白っぽい、動くと胸がどきどきする、きついなどの症状がある時、貧血があるのではといいますが、貧血とは血液の中にある赤血球の数が少なかったり、赤血球の中にあって酸素を全身に運ぶヘモグロビンの量が少なくなった状態をいいます。その原因は大人にも子どもにも色々ありますが、子どもにはその子どもの年齢によって考えられる病気が違ってきます。例えば生まれたばかりの新生児には、体のどこかに出血して赤血球が失われていたり、血液型の不適合により赤血球が壊れやすくなった状態や、また生まれつきの血液の病気があります。発育の著しい乳児期になると赤血球を作るのに必要な鉄分が不足して起きる鉄欠乏性貧血があります。乳児期の初めは母体からもらった鉄分で足りていましたが、生後6カ月を過ぎると鉄の蓄えも少なくなり、また母乳には鉄分が少ないため、母乳で育てている子や離乳食が遅れた乳児に多く見られます。1歳を過ぎた幼児期になると牛乳の飲み過ぎによる貧血もあり、まれではありますが白血病、再生不良性貧血など重い病気もあります。細菌やウイルスの感染によって起こる貧血もあります。これらは発熱やリンパ節の腫れ、皮膚に出血のあざが多くあるなどの症状を伴います。子どもは症状を訴えることはできません。貧血があるかどうかは血液検査ですぐに分かりますので受診してください。そして貧血があればその原因の検査をして治療となります。(2013年放送)