小児科/子どもの便秘

子どもの便秘

  便秘は、ごくありふれた状態ですが、排便習慣には個人差もあり、幼い子どもでは、見過ごされて、ときに慢性化することがあります。排便の回数は年齢によって違いますが、一般に3~4日以上便が出ないものを『便秘』と捉えます。ただ、これに症状があるかないかがより大切です。「お腹が張って膨らんでいる」、「食欲がない」、「お腹が痛い」、「吐く」、などの症状が出ると、治療が必要です。ときには、お母さんが「毎日便は出ているんですが・・・」といわれても、量が十分でないために便が溜まると、このような症状が出ます。

便秘のかげには、重大な病気が隠れていることがあります。その代表がヒルシュスプルング病で、直腸や大腸の壁の中に生まれつき神経節細胞がないために便が溜まっても、それに反応して便を出せない病気です。多くは生後数日で診断されますが、2、3歳過ぎて便秘がひどくなって分かることもあります。また、このような手術が必要な病気以外に、「便が固い」、「便が出る時に痛い」、「肛門が切れて血が出る」などのために、苦痛や恐怖で便が出せない子どもも少なくはありません。

日中に食べて消化したものが下の腸に動くのは、夜寝ている間なので、起床後や朝食後に排便するのが普通ですが、最近は、遅くまで寝ていたり、朝食を抜く子どもなどでは排便習慣が狂いますし、親子関係などの精神的ストレスが原因になることもあります。食事や生活習慣を改善しても便秘が続く場合は、早めに小児科医に相談してください。(2013年放送)