小児科/ワクチンの同時接種について

ワクチンの同時接種について

 赤ちゃんは、生まれた瞬間から様々な細菌やウイルスなどにさらされます。赤ちゃんの感染症には現在でも命に関わるものが多くあります。でも今は、この怖い感染症の多くがワクチンで予防できます。現在、日本で生後2カ月から1歳までに子どもに接種する主なワクチンだけでも6から7種類あります。それぞれ複数回の接種が必要で、接種回数は合計十5回以上になることもあります。そのうえ、ワクチンごとに接種できる時期が異なります。また、次のワクチンを打つまでの間隔にも決まりがあります。これを1つずつ接種していくと、免疫がつくまでにかなりの時間がかかるうえ、毎週病院に通わなければならず、保護者の方や赤ちゃんにとっても大きな負担となります。そこでワクチンの同時接種が必要になってきます。

同時接種とは、2種類以上のワクチンを1回の通院で接種することで、世界中の国々では10年以上前から普通に行われている方法です。同時接種をすると比較的短期間に多くの種類の必要な免疫をつけてあげることができます。1種類ずつ日をあけて接種した場合と比べて、効果や安全性も変わりなく、今のところ医学的なデメリットは何も報告されていません。もちろん、保護者の希望でワクチンを1つずつ接種することも可能です。

大事なことは、大切な赤ちゃんにできるだけ早く免疫をつけ、怖い病気から守ってあげることです。かかりつけの小児科で、1カ月健診の時にワクチンの接種スケジュールを早めに立ててもらいましょう。(2013年放送)