内科/サルコイドーシスってご存じですか?

サルコイドーシスってご存じですか?

 サルコイドーシスとはラテン語で「肉のようなものができる病気」という意味です。肉の固まりのように見える組織は一般に「類上皮細胞肉芽腫)」と呼ばれ、肺、眼、リンパ節、皮膚、心臓などの全身の臓器で見られます。病気の原因は明確ではありませんが、いわゆる感染症や悪性新生物ではありません。発症年齢は男性で20歳代にピークを示し、女性では20歳代と50~70歳代にピークを示します。

病気が現れる場所と拡がりには個人差が大きく、症状がないことも少なくありません。そのため、患者さんの4割は自分で気付かず、病気の発見には検診が重要であるといえます。2004年の調査では、30%近くは健康診断で発見され、約15%は他の病気の通院中に、約55%の患者さんは、何らかの自覚症状をきっかけに発見されています。よく見られる症状は視力障害、咳、息切れ、皮膚の発疹などで、肉芽腫ができた臓器の障害として出現します。

診断には病変のある場所の検査、例えば気管支鏡検査、眼科受診、皮膚の一部をとる検査などを行い、また、血清ACE測定、ツベルクリン反応なども行い、総合的に診断します。診断後、7割前後は自然に治るともいわれており、呼吸器症状が進行する場合や重症な不整脈を起こす場合など限られた患者さんにステロイドホルモンが投与されます。

馴染みのない病気ではありますが、サルコイドーシスを疑われた場合は、主治医と相談して専門病院を受診することをおすすめします。(2013年放送)