内科/げっぷから考えられる病気

げっぷから考えられる病気

  今、日本人に逆流性食道炎が増えています。逆流性食道炎とは胃袋の中身が食道に逆流し、食道をただれさせる病気です。胸焼けや胸の痛み、空咳(からせき)などを訴えることが多く、中にはげっぷで医療機関を受診して発見される方も増えています。症状から心筋梗塞や喘息と誤って診断されることもありますが、胃の内視鏡検査で診断や重症かどうかの確認ができます。肥満・猫背を続ける生活・肉中心の食事などが症状を悪化させます。従って定期的な運動とお米や野菜中心の食事を心がけることが大切です。欧米では逆流性食道炎に食道がんを発生する例が多く、今後日本でも食道がんが増加することが予想されます。

逆流性食道炎の症状のひとつであるげっぷはひどい便秘や胃がんでも見られます。また、空気を飲み込んでしまう空気嚥下症や機能性胃腸症もげっぷを起こす代表的な病気です。機能性胃腸症は以前は神経性胃炎と呼んでいた病気でストレスが発症に大きく関与しています。いずれの病気も現代人であればだれでもかかる可能性のあるものです。消化のよい食べ物を食べる、ゆっくりとよく噛んで食べる、まめに身体を動かす、十分な睡眠をとるなどの生活を心がけましょう。

食後に出るげっぷは健康な人も経験する現象ですが、重大な病気が潜んでいる可能性もありますので回数が多ければ消化器科の医師などに相談してください。(2013年放送)