振戦―手が震える
自分では意識しないのに手が規則的に震えることを振戦といいます。時には手だけではなく足や顎、頭が震えることもあります。誰でも緊張した時に1時的に手や脚が震えた経験があると思いますがこれは心配いりません。
振戦には大きく分けると2つのタイプがあります。じっとしている時には目立たないが何か動作を行うと出てくる震えを動作時振戦といいます。逆に何もしていない時に目立つ震えを安静時振戦といいます。
動作時振戦では字がうまく書けない、お茶をつごうとするとこぼしてしまうなどのことが起こります。人が見ていたり緊張すると震えが強くなる傾向があります。この動作時振戦を起こす主な病気が原因の分かっていない本態性振戦です。65歳以上の方の5人に1人がこの震えがあるといわれています。「そういえば父も震えていた」などと体質的な要素があるともいわれています。
安静時振戦は何もしないでいる時に震えます。テレビを見たり会話をしたり、手から意識が離れた時に震えが起こります。震えを指摘されたり動作を行うと震えは減少します。この安静時振戦を起こす代表的な病気がパーキンソン病です。震えが軽くて生活に支障がない時は治療の必要はなく様子を見てもよいと思います。
しかし、震えはきちんと診断して、適切な薬を服用すれば、震えは軽くなり生活も楽になります。一度神経内科を受診して相談されることをおすすめします。(2013年放送)