泌尿器科/尿が出にくくなる薬の話

尿が出にくくなる薬の話

 尿が出にくくなる薬のなかで、いちばん有名なのは、風邪薬です。多くの風邪薬の中には、尿が出にくくなる抗ヒスタミン薬が含まれています。

また、抗うつ薬や睡眠薬、パーキンソン病やてんかんなどの精神・神経病の薬の中には、膀胱や前立腺・尿道の神経に作用して、高い頻度で尿が出にくくなるものが多くあります。

その他、気管支喘息や不整脈治療薬、胃腸薬、麻薬など、非常に多くの薬に、多少なりとも排尿障害の副作用があります。

また、泌尿器治療薬の中にも、尿が出にくくなるものがあります。最近話題になっている、頻尿・尿失禁を症状とする『過活動膀胱』の治療薬である抗コリン剤です。とても有効な薬ですが、もともと残尿がある場合には、尿が全く出なくなることがあります。治療前に、残尿のチェックが必要です。

これらの薬を飲むと、必ず副作用が出るわけではありませんが、前立腺肥大症のある高齢男性や、糖尿病・脳卒中の方、子宮がんや直腸がんの手術をした方などは、もともと尿が出にくい状態にあるため、注意して、薬を飲むようにしてください。

薬による排尿障害は、直接生命を脅かすものではありません。治療の基本は、原因の薬を中止することですが、特に、精神病の薬などは自己判断での中止は禁物です。排尿の調子が悪くなったら、泌尿器科を受診する前に、まず、主治医に相談してください。(2012年放送)