眼科/白内障の手術時期

白内障の手術時期

 白内障の症状は様々で個人差もあるため、視力や白内障の程度のみで手術が決まるわけではありません。視力がよくても、白内障が主な原因と考えられるかすみや眩しさ等を強く感じ、日常生活や運転、仕事に支障があれば、ご本人の希望と医師の判断のもとに手術になることもあります。一方進行した状態であってもご本人が見え方に支障なく手術の希望もない場合には、手術を選択せず定期観察をします。何歳だからできるできないということではなく、白内障を治す意志があれば手術をあきらめることはありません。ただし老化や外傷のために水晶体自体が硬くなりすぎている場合や水晶体を支えている組織が弱くなっている場合、また、角膜の細胞が減少している場合などでは、手術中手術後の合併症のリスクが上がります。

急性緑内障発作を起こしやすい人や他の合併症がある人にも医師は安全に手術ができる時期についてご説明します。患者さんに手術の希望と理解があり、医師がその方にとって手術にメリットがあると判断したうえでの同意で決定されるのが望ましいでしょう。白内障の手術は短時間で簡単にできる手術と思う方もいるようですが、動く小さな眼球の中で水晶体を除去し眼内レンズを挿入するという複雑で繊細な手術です。

白内障の手術を安全安心に行うには、適切な手術時期について患者さんと医師とがしっかりと相談しあうことと、全身状態の安定やご家族のご協力も必要と考えます。(2012年放送)