網膜剥離
網膜剥離にはいくつかタイプがありますが、一般的な網膜に孔があき眼球からはがれてしまう状態の裂孔原性網膜剥離についてお話しします。剝がれた部分が周辺部で限局的であれば、穴の周りをレーザーで焼き固めて広がらないようにできますが、網膜の中心部に起こり「見えにくい」という自覚症状が現れてから眼科を受診し診断を受けてしまうと、かなり高い確率で手術が必要になり、場合によっては失明という最悪の事態になりかねない病気です。
孔があく原因としてはボクシングなどに代表される外傷によるものがあります。事故やスポーツなどで目や頭を強く打ったときは念のために眼科できちんと検査を受けましょう。またアトピーがある方は痒みのために無意識に目の周りを叩いていることがあります。その他近視が強い方は眼球が大きく網膜が引き延ばされて弱い部分ができ、孔があくことがあります。
こういった特別な状態がなくても剥離が起こってくることもあります。目の中の液体、硝子体は元々ゼリー状なのですが、年を経るに従ってさらさらとした液体にかわっていきます。そのため目の動きに伴い目の中で動きやすくなり、網膜が引っ張られ孔があき剥離が起こってくることがあるのです。網膜が引っ張られる刺激で光が走って見える光視症や、孔があくときにかけらが散らばって黒い点などが目の前にチラチラみえる飛蚊症という症状が出ることがあります。
血縁者で網膜剥離を起こした方や、40歳を超えられた方は一度網膜に孔があきそうな弱い場所がないか眼底検査を受けておくことをおすすめします。(2012年放送)