味覚障害
食事をしているときに味が薄く感じたり、変な味に感じたりしたことはありませんか?
はじめは食べ物のせいではないかと思っていても、長く続く場合は味覚障害の可能性があります。味覚障害は高齢者に多くみられ、50歳以上のかたが患者の約8割を占めています。
味覚障害を起こす原因として一番多いのは、薬剤による味覚障害です。血圧の薬や心臓の薬、また、高脂血症の薬や抗生物質など様々な薬剤で起こる可能性がありますので、お薬を服用してから味覚に変化が起こった場合は注意が必要です。次に多いのは腎臓病や肝臓病、糖尿病などの全身性の病気に伴うものです。また、血液中の亜鉛が不足している方にも味覚障害が発生しやすく、薬や全身の病気に伴った味覚障害のかたも血液中の亜鉛量が減少していることが多いと言われています。その他にも風邪にかかった後や口腔乾燥症に伴う味覚障害などがあります。まれには舌がんなどの口腔内の悪性腫瘍などでも味覚障害が出現することもあります。
味覚障害がある場合、甘味、塩味、酸味、苦味の基本味のどの味が、どの程度障害をきたしているのか、血中亜鉛量は不足していないかなどの検査を行って治療に入ります。亜鉛を含んだ胃薬を服用すると、約7割のかたの味覚が改善してくると言われています。
味がしない、味が変に感じると思われる方は、大きな病気が隠れている可能性もありますので、耳鼻咽喉科など専門医を受診することをおすすめします。(2012年放送)