婦人科/外陰ヘルペス

外陰ヘルペス

 外陰ヘルペスは単純ヘルペスウイルスによっておこる性感染症で、急性型と再発型の2つのタイプがあります。急性型は単純ヘルペスウイルスの初めての感染によっておこり、性交渉などで感染してから3~7日の潜伏期間後に外陰部に激しい痛みを伴った潰瘍や水ぶくれができます。また、足の付け根のリンパ節がはれたり、熱も38度くらいでることもあります。痛みのため排尿もできなかったり、座ることもできない状態になることもあります。

一度このウイルスに感染すると、症状が治ったあとでもウイルスは神経細胞に潜んで、過労、寝不足、ストレスなど抵抗力が低下すると再び発病します。この再発型の場合は他人から感染したものではありません。再発型の症状は軽く、小さい潰瘍や水ぶくれができますが、軽い痛みや違和感だけのこともあります。

治療はアシクロビルというウイルスを抑える薬が有効で、軟膏、内服薬、注射薬があります。通常は約1~2週間ほどで治癒します。

一度感染してしまうと、単純ヘルペスウイルスは体内に潜んでしまいますが、症状がなければ性交は可能です。その際はコンドームの装着が望まれます。しかし、当然ながら再発時にはパートナーヘの感染防止のため性交は控えましょう。

なお、妊娠中に感染した場合、赤ちゃんに奇形を起こすことはほとんどありません。しかし、分娩近くに外陰ヘルペスにかかると、胎児が出産時に感染して重症化し、死亡する頻度が高いので帝王切開する必要があります。

早く治療を開始すれば、より早く治りますので、症状が出たら速やかに医師の診察を受けましょう。(2012年放送)