婦人科/外陰部のいぼ(尖圭(せんけい)コンジローム)

外陰部のいぼ(尖圭(せんけい)コンジローム)

 尖圭(せんけい)コンジロームは、性行為の活発な10歳台後半から30歳台前半に掛けて、男女共に陰部にできる良性腫瘍です。パートナーの約50%が同じ病気にかかっています。外見は鶏の鶏冠みたいな形で黒っぽくガサガサした触感のできものです。コンジローム自体は、触れるだけでほとんど症伏はありませんが、他の性行為感染症との混合感染、例えば膣カンジダ症が多く、その症状で来院し診断されることが多いのです。

原因はヒトパピローマウイルスでイボなどと同じタイプのウイルスです。最近話題になっている子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスとは異なりますが、同じ系統のウイルスです。よくできる場所は外陰や肛門周囲で、性行為によって出来た傷から感染します。接触した部位に感染後3週から8カ月して、直径2ないし3ミリメートルの突出した腫瘍が群がったようにでき、外見は異様で汚いのが特徴です。妊婦に発生するとお産のときに子どもに感染を起こします。その約1%の新生児の喉に治りにくい腫瘍ができ、時に呼吸障害を起こします。

コンジロームの治療は医療施設でメスで切りとったり焼き切るのが手っ取り早い方法ですが最近、週に数回就寝前に塗る軟膏治療薬が開発されました。

陰部にゴロゴロしたようなできものに気付いたら女性は産婦人科、男性は皮膚・泌尿器科を受診しましょう。(2012年放送)