胆石症は手術した方がいいか
胆石症とは胆嚢内に石ができて、腹痛を起こす病気です。主な症状は腹痛に加え、発熱と黄疸です。通常腹痛は強い痛みで疝痛と言われますが、それほど強くない事もあります。胆嚢以外にも、胆汁を運ぶ管である総胆管や肝臓内にも石を作ることがあり、広い意味で胆石症と言います。男性より女性に多く発病します。胆嚢に石があっても全く症状の無い人もいます。超音波検査やCTなど、苦痛の少ない検査で容易に診断をつけることができます。
症状の無い人は超音波検査等で経過を見るだけでもいいでしょう。症状のある人の治療には胆石を溶かす薬による内科的な方法もありますが、一生服用する必要があります。また稀に胆嚢がんに合併した胆石症もあります。何らかの症状があれば、やはり手術した方がいいでしょう。
手術は現在では腹腔鏡と言う特殊なカメラを、お腹にあけた小さな傷から入れて胆嚢を切除する術式が主流となっています。数日の入院または日帰りの手術も可能です。胃や膣から腹腔鏡を入れることにより、お腹に傷をつけない方法もありますが、長崎ではまだ行われていません。総胆管の石には胃カメラの要領で口から内視鏡を飲み込んで行う砕石術も併用されています。
痛みを我慢して長く放置すると炎症が強くなり、通常の大きくお腹をあける手術が必要になる場合があります。それを避けるためにも早めの受診が必要です。
油ものを食べた後などにみぞおちから右わき腹にかけ痛みがある時は早めに消化器専門医の診察を受けられる事をおすすめします。(2012年放送)