新しい心肺蘇生法
人が意識をなくして倒れたとき、その場に居合わせた人をバイスタンダーといいます。バイスタンダーが勇気を出して行動すれば助かる確率は増えます。
より多くのバイスタンダーが心肺蘇生法を行ってくれることを願って、50年ぶりに心肺蘇生法の手順が変さらになりました。まず、倒れている人を見たら、肩を軽くたたきながら声をかけて意識を確認します。反応が無ければ、誰かに119番通報と、近くにAEDがあれば取ってくるように指示します。もし誰もいなければあなた自身が通報に行って再び患者のもとへ戻ってきます。
次いで、患者の胸の動きを見ます。呼吸が無いか、しゃくり上げるようなあえぎ呼吸なら、直ちに30回胸の真ん中にある胸骨の圧迫から心肺蘇生法を開始します。以前は気道の確保と人工呼吸から行っていましたが、意識と適切な呼吸が無ければ誰もができる胸骨圧迫から開始することでバイスタンダーが蘇生を始めやすくしました。もし、人工呼吸ができない、あるいは、やりたくない場合、胸骨圧迫のみを継続してください。特に目の前で成人が倒れたときは、胸骨圧迫のみ継続しても、人工呼吸を加えた場合と同等の救命率が得られています。胸骨圧迫は最も大切で、成人の場合、圧迫の深さは少なくとも5センチ、1分間に百回以上のペースで、できるだけ強く早く押すようにします。圧迫と圧迫の間は胸がもとの高さに戻るようにします。AEDが到着したらすぐに電源を入れ、流れてくる音声メッセージに従って行動してください。(2012年放送)