躁病
躁病(そうびょう)は、普段より気分が異常に高揚し、しかもそれが少なくとも1週間以上続く状態を指します。
気分が高揚すると、自分にはすごい能力が備わっていて、何でもできそうな気になったり、すばらしいアイデアが次から次に浮かんで来て、頭の回転がとても速くなったような気になることがあります。また、眠らなくても疲れない。食べなくてもエネルギーがあり余っている。そんな状態になることもあります。
しかし、こういう状態は決して好ましい状態ではなく、むしろ、ちょっとした刺激にもすぐに反応してしまって、非常に怒りっぽかったり、周りに居る人に暴言を吐いたり、時には暴力を振るうこともあります。また、気分が大きくなっているために、クレジットカードなどで次々と高額な物を買ってしまったり、大金をギャンブルにつぎ込んだりすることもあります。さらには、性的な逸脱行動を取ったり、普段は考えられない非常識な行動をしてしまって、結果として、本人の社会的な信用を失墜させてしまうことも珍しくありません。
従って、躁病では、できるだけ早い時期に、薬による治療の開始が必要ですが、本人は、「自分は病気ではない。元気いっぱいだ。」と言って、病院に行きたがらない場合が少なくありません。
しかし、躁病の後には、うつの状態に至ることが多く、それまでの自分が取った行動を悲観してしまうこともあるため、躁病が疑われたら、早めに専門医を受診されることをおすすめします。(2012年放送)