子どもの膀胱炎
尿は腎臓で作られ尿路といわれる腎盂、尿管、膀胱、尿道を通って身体の外に排出されます。膀胱炎になりやすい理由は、尿道の出口が細菌の多い肛門に近いことです。特に女性では尿道が短いために感染しやすいのです。通常でも膀胱には少数の細菌がおり、子どもの場合ほとんどが腸内細菌です。排尿を我慢し膀胱に尿が長く溜まっていると、細菌が増殖し大量になると膀胱炎を起こします。
膀胱炎の症状としては、発熱はありません。年長児はおしっこの量が少なく何度もトイレに行き、おしっこをした後に痛がります。年少児はおねしょが増える、おもらしをする、おしっこを嫌がる、機嫌が悪いといった症状です。膀胱炎の特徴的な症状ではないため早期発見しにくいのです。特殊な膀胱炎として、アデノウイルスによる出血性膀胱炎があります。膀胱の腫れが強いため出血し、今述べた症状のほかにトマトジュースまたは赤ワイン色のおしっこがでます。
膀胱炎は何度も繰り返すと、膀胱の壁が厚くなって弾力性がなくなり、将来排尿障害を起こす可能性があります。発熱を伴うときは腎盂腎炎を合併しており、入院での治療が必要になります。膀胱炎を疑ったら早めの受診をおすすめします。検査には10ml以上の尿が必要です。
治療は抗生物質の内服です。治療後1日~2日で症状は改善しますが5日~7日は服用したほうがよいでしょう。
予防はおしっこを我慢しないことですが、便秘、便失禁があると排尿調節もうまくできないので訓練、治療が必要です。(2012年放送)