小児科/子どもの夜驚症

子どもの夜驚症

 通常私達が「寝ぼけ」と言っているものには、いくつかの状態が含まれています。そのひとつが夜・驚くと書く夜驚症です。夜驚症は、眠っていた子どもが突然、恐怖感と共に激しく泣いたり、叫んだりします。起こりやすい年齢は5歳から7歳頃です。歩き回る子どももいますが、これは十歳頃になっても見られます。この症状を起こしている間に声をかけても反応は悪く、なだめようとするとより興奮する場合もあります。治まると寝てしまうことが多いですが、翌朝目覚めた後に本人に聞いても、昨夜のことはほとんど覚えていません。また、通常子ども自身は、夜驚があっても日常生活に困らず、睡眠不足となって昼間に眠気が来ることもありません。発症のきっかけとして、怖い体験や緊張、興奮する出来事などが認められることもあります。

夜驚症は、脳が部分的に目覚めていることによって起こると考えられており、眠りに入って1時間から3時間たった頃が起こりやすい時間帯です。この時間は、家族はまだ眠っていないことも多いですから、あまり心配せず、危険が無いように見守ってください。夜驚症であれば、思春期頃には自然に消失します。

このような症状が一晩に何回も起こる場合や、嘔吐など別の症状を伴う場合は、てんかん発作である可能性もあり、この場合は医療機関の受診が必要です。また、ご家族の不眠や疲労の方が問題になることや、事故につながる危険性が高い場合なども、かかりつけの小児科へご相談ください。(2012年放送)