内科/のどのつまる感じ―内科の立場から

のどのつまる感じ―内科の立場から

 鼻と口の後ろにあるのどは、上の方を咽頭、下の方を喉頭と言います。胃液が多く食道や咽頭に逆流することがあります。胃食道逆流症と言い、胸焼けなどの症状とともにのどにつまる感じが起こります。また口と鼻が咽頭へ繋がる部分は、扁桃輪と呼ばれ、細菌などの病原菌が気道や消化管へ侵入するのを防いでいます。ここに慢性の炎症がある場合にものどのつまる感じが起こります。蓄膿症で膿が鼻の方へ流れ出す場合などにものどにつまりを感じることがあります。また甲状腺ホルモンが増加する思春期や妊娠の時は、甲状腺が腫れ、のどにつまりを感じることもあります。

成人の女性の約1割にみられる鉄の欠乏によって起こる貧血でも、朝起きにくいとか、肩や首の凝り、のどのつまりを感じることがあります。治療は鉄剤の内服や注射などですが、貧血の原因の検査が必要なことがあります。

ハウスダスト、ダニ、スギなどによるアレルギーでも喉頭を刺激してのどにつまりを感じることもあります。喫煙が原因になることもありますので、禁煙に挑戦し、どうしても禁煙できない時には、禁煙外来を受診しましょう。また咽頭、喉頭、食道のがんなどの悪性腫瘍や精神的な原因の場合もありますので、のどのつまる感じや違和感が続いたら、まずはかかりつけの医師に相談しましょう。(2012年放送)