手足のしびれ―内科の立場から
手足に力が入らず動かしにくい状態を「手足がしびれている」と表現する場合もありますが、今回は正座したあとのように「ジンジン・ビリビリ」とした手足のしびれ感についてお話しします。手足のしびれはいろいろな原因で起こりますが、どの部分がどのようにしびれるかでおおよその原因が推定できます。
両手両足の先端の方から次第にしびれが出てくるときは、糖尿病など全身の病気の可能性があります。またある種の薬の副作用や遺伝的な病気でこのようなしびれが見られることもあります。かかりつけの医師や神経内科などへ相談されることをおすすめします。
足だけがしびれるときは椎間板ヘルニアなど脊椎の病気が考えられます。歩くと足のしびれが強くなるときは、足の血管の動脈硬化や脊柱管狭窄症という脊椎の病気の可能性があります。また、手だけが徐々にしびれてきた場合は変形性脊椎症など頚の骨の病気や、肘や手首などで神経が圧迫されてしびれが起こっている可能性があります。いずれも脊椎のレントゲンやMRI検査、神経の伝わりやすさの検査などが必要です。神経内科や整形外科などにご相談ください。
片方の手足が急にしびれだした時は脳出血や脳梗塞など、脳に障害が起こった可能性があります。なるべく早くMRIやCT検査ができる病院を受診することをおすすめします。このようにしびれはいろいろな原因で起こります。たかがしびれと放置せずに、まずはかかりつけの医師にご相談ください。(2012年放送)