慢性閉塞性肺疾患(COPD)
COPDは慢性閉塞性肺疾患のことで、日本には潜在的に約5百万人以上の患者がいると推定されています。その主な原因は長期間にわたる喫煙習慣で、COPDは肺の生活習慣病とも言われています。COPDになると慢性的に咳やたんが出たり、歩行時の息切れといった症状が出ます。COPDの正確な診断には専門の医療機関での肺機能検査が必要ですが、まずは簡単な呼吸器の検査などをかかりつけ医で行ってもらうと良いでしょう。
COPDはこれまで根本的な治療法がない病気とされていましたが、最近の研究では「治療可能」な病気と位置づけられるようになりました。
まず、タバコを吸っている方の治療の第1歩は直ちにたばこをやめることです。煙草をやめれば病気の悪化に歯止めがかかります。次に、COPDの治療として薬物療法が行われます。気管支を広げ呼吸をしやすくする気管支拡張薬やステロイド吸入薬などを用います。肺機能の低下がすすみ呼吸不全となった方には、酸素吸入療法が必要となります。また、息苦しさを軽くし、生活の質を高めるために、口すぼめ式腹式呼吸や運動療法などの呼吸リハビリテーションも大切です。COPDの症状が急速に悪化するのを予防するために、できるだけ呼吸器感染を予防することも重要です。冬になったら、インフルエンザワクチン接種が勧められます。
ご自分がCOPDかもしれないと思った方は早めに呼吸器内科の専門医に相談されることをおすすめ致します。(2012年放送)