痰の色にご注意を!
風邪などで病院にかかった時、『痰が出ますか?色がついてますか?』と質問を受けた経験があると思います。一般に痰は汚いと思っている方も、咳や咳払いで痰が出てもつい飲み込んでしまい、痰の色などを観察する方は少ないようです。しかし、痰には病気の情報がたくさん含まれており、診断や治療に大変役立ちます。
痰の色が透明であればあまり問題になりませんが、色が白くても透明でない場合や黄色や黄緑色は細菌の感染が起きている可能性があるため病院を受診すべきです。色を確認するには、ティッシュでは区別が難しい時があるので、透明なラップや容器にとって透かして見るのが最も良い方法です。また、痰の色の変化をみることで、薬が効いているかどうかの判断も可能です。一般的には、治療開始3日目までに色が改善しなければ薬が効いていないと言えます。しかし、蓄膿症では色だけで判断出来ない場合もあるので普段の色を知っておくことも重要です。痰に血液が混じれば、痰に含まれている細胞の検査などで肺がんの早期診断ができるケースもあります。
いずれにしても痰から得られる病気の情報は多く、痰の色だけでなく、粘り気、におい、痰の量なども注意深く観察することが治療に役に立ちます。そのため病院を受診した際はその情報を医師へ伝えることが大切です。痰に色がついた時は、早めに病院を受診されることをおすすめします。(2012年放送)