若い人の心筋梗塞
心筋梗塞は比較的ご高齢の方に発症することが多い病気ですが、時に若い40歳未満の方にも発症します。
高血圧、高コレステロール血症や糖尿病があったりすると、心筋と呼ばれる心臓の筋肉に酸素を運ぶ、冠動脈と呼ばれる血管に動脈硬化が作られます。この動脈硬化の部位が破れ、血液の固まりができて、冠動脈をふさぐと心筋が死んでいき、心臓の働きが悪くなります。このような状態を心筋梗塞と言います。
この病気が若くして発症する危険性が高い方は、家族性の高コレステロール血症や若年性の糖尿病など、代謝に関わる遺伝的な病気がある方、子どもの頃に川崎病にかかったことのある方、さらに膠原病・大動脈炎症候群など自己免疫に異常がある病気がある方などです。それ以外にも、特に喫煙は重要な原因であることが知られています。そして肥満、メタボリックシンドロームといった状態が悪影響を与えます。また脱水状態は若い方の発症には関与していると言われています。脱水になると体内の血液が濃くなり、固まりやすくなり、血管を詰まらせます。その他に精神的ストレスも原因のひとつとして考えられており、特に猛烈社員型の性格の方には発症しやすいと言われています。
急性心筋梗塞の発症を予測することはなかなか困難です。この病気は生命に関わることもありますので、この発症を予防するために、日頃から生活習慣に気をつけて、その危険性を減らすようにすることが必要です。(2012年放送)