骨粗鬆症の方の歯科治療
骨粗鬆症の治療には骨を硬くする目的でビスフォスフォネートという薬が使われます。最近、ビスフォスフォネートを長期間使われている方の中に、顎の骨の化膿が起こることがわかってきました。顎の骨だけに起こるので、ビスフォスフォネート関連顎骨壊死と呼ばれています。ほとんどは抜歯の後に起こりますが、入れ歯による歯ぐきの傷や、はっきりとした原因もなく起こることもあります。
化膿した部分の骨がむき出しになり、膿が出て、口臭、痛みや違和感も感じます。放置すると、骨がむき出しの状態が広がることもあります。原因はわかっていませんが、ビスフォスフォネートを3年以上飲んでいると、発症の危険性が高くなることが知られています。
治療は化膿した骨を手術で取り除くしかありません。一番の予防方法は、抜歯などの処置が必要ないように口腔内を清潔に保つことです。歯石除去や、虫歯の治療で発症する危険はありません。ビスフォスフォネートを飲まれている方は、定期的に歯科医院を受診し、歯周病のメンテナンスや虫歯の早期治療が必要です。また、ビスフォスフォネートの治療を開始する前には、歯科医院の受診をお勧めします。
抜歯などの外科処置はしてはいけないわけではありませんが、日本口腔外科学会では処置前3カ月は薬を休むことをすすめています。お薬の中断に関しては、整形外科の主治医と相談されてください。
(2011年放送)