蜂に刺されたときの対処法
毎年、30~40名が蜂に刺されて死亡しています。林業の人が多く、蜂の種類ではアシナガバチ、スズメバチ、ミツバチの順に多いことが知られています。蜂に刺されると、刺された部位に赤み、腫れ、痛み、かゆみが起こります。
多くはその局所だけの症状で終わりますが、約10~20%で全身症状が起こる事があります。その多くはじんましんですが、数%の割合でショック症状も起こります。気分が悪くなったり、むかむかしたり、気が遠くなるような感じから、ひどい場合は意識がなくなります。蜂の毒は組織破壊など毒としての作用もありますが、アレルギーの元となるアレルゲンとしても働きます。じんましんやショック症状はそのアレルゲンに対するアレルギー反応によるものです。蜂にもう一度刺されると、約50~60%の確率で前回より重症化するとされています。
その対処法ですが、アンモニアをかけるのは皮膚障害を起こす場合もあるのでしないようにしてください。じんましんがひどい場合にはショック症状がでる場合もあるのでなるべく早く医療機関または病医院、または診療所を受診しましょう。ステロイド軟膏、冷湿布、あるいは程度に応じて、抗ヒスタミン剤、ステロイドの内服をします。ショック症状が生じているときには緊急にエピネフリンの皮下注射が必要です。これと同じ薬でエピペンというものがあります。患者さんが緊急時、自分で注射することができます。林業など蜂に刺される機会の多い人は医療機関で相談した上で携帯していると安心です。
(2011年放送)