泌尿器科/高齢者の頻尿

高齢者の頻尿

 トイレが近いことを頻尿といいます。昼間8回以上、就寝後2回以上トイレに行く状態です。頻尿があっても日常生活に困らなければ治療の必要はありません。しかし社会活動が制限されたり、尿もれを伴う場合は治療が望まれます。
 頻尿の原因は大きく分けると3つが考えられます。第1は水分の摂り過ぎです。ノドがかわくとか、脳卒中の予防の為とかで水分を多く摂ると尿の量が増え、頻尿となります。適切な飲み水の量は食品の水分を除けば、体重1㎏あたり20~30㏄です。体重50㎏の人で1日1リットル~1.5リットルです。
 第2は膀胱の容量が少なくなることです。尿を最大限我慢しても200㏄以上の尿量にならない場合です。この場合は薬物療法が有効です。また、尿を我慢するトレーニングも有効で、5分ずつ我慢する時間を延ばしていき、最終的に30分間尿を我慢できるようになるのが目標です。注意したいのは尿がうまく出せない為に頻尿になることです。尿がうまく出せず膀胱に尿が残ると、実際の膀胱の容量が減り頻尿になります。この場合、腎臓機能に障害をおこすことが多く、早急な治療が必要です。
 第3は膀胱炎など尿路の細菌感染で頻尿になる状態です。一般的には排尿痛などでわかりますが、尿検査で確認をして抗生物質で治療します。いずれにしても頻尿はその原因をつきとめ、それに合わせた適切な治療が必要です。
 頻尿でお困りの方は、まずお近くの泌尿器科を受診されることをお勧めします。

(2011年放送)