男性の更年期
女性の更年期障害については一般によく知られていますが、男性においても男性ホルモンが減少することにより女性の更年期障害と似たような症状が起こることが分かってきています。
男性の更年期障害の症状が現れる人の多くは、45歳から65歳くらいの働き盛りの方が中心です。主な症状は、精神的なものとしてやる気が出ない、毎日が楽しくないといった抑うつ症状や集中力の低下、いらいらなどがあります。身体的なものとして、疲労感、ほてり、肩こりなど、また、性欲の低下、勃起力の低下など性機能的なものが挙げられます。
通常、血液検査で男性ホルモンが低下していることによって診断され、その場合は注射などで男性ホルモンを補充することで症状が改善する場合があります。ただし、前立腺がんがある方、あるいはその疑いがある方の場合は男性ホルモンの補充により前立腺がんが悪化するため、男性ホルモン補充の治療はできません。生活面においては、くよくよせず気持ちをうまく切り替えたり、運動や睡眠などの生活のリズムを整えることも重要です。
さきほど述べたような症状がある方は、男性更年期障害の可能性があるため、一度泌尿器科を受診することをお勧めいたします。検査で男性ホルモンの低下がない場合は、男性更年期以外の原因が考えられますので、精神的な症状に対しては心療内科や精神科、身体的な症状に対しては一般内科の医師の診察を受けてみられるのがよいでしょう。
(2011年放送)