睾丸のしこり
陰嚢内には睾丸とそれに付属する副睾丸があります。睾丸の大きさや硬さの異常を見つける場合は、左右の大きさの差、硬さの違いを比較するとよく判ります。
痛みを伴わないで、睾丸が大きくなってきたり、しこりを触れたりする場合は、睾丸の腫瘍を疑います。20歳から30歳台の青壮年期によく起こります。進行が早いのが特徴ですが、がんの中でも化学療法が比較的よく効くので、早期発見が大事になります。
また、睾丸を包んでいる膜の中に液体がたまると、陰嚢が腫れてきます。これは、陰嚢水腫といって子どもから大人まで幅広くみられます。小児では2、3歳までに自然治癒することも多く経過観察で問題ありません。大人では、中の液体を注射器で吸引することもありますが、またすぐ貯まるので、根本的に治すには手術が必要です。液体が貯まっているかどうかは、部屋を暗くして、陰嚢にペンライトを当ててみると、光を透過するので、ある程度自分でも判断できます。
次に、痛みがあって睾丸が腫れる場合ですが、よくみられるのは、尿道や前立腺の炎症が精子の通る精管を伝わって起こる副睾丸炎です。発熱を伴い、睾丸に付属している副睾丸に硬いしこりを触れ、押さえると痛みも強く、ひどくなると睾丸もひとかたまりとなって硬く腫れてきます。
このほか、いろいろな病気がありますが、睾丸の異常に気づいたら、自己判断しないで、まず泌尿器科の専門医に相談してください。
(2011年放送)