腎移植
一昔前までは、腎臓の働きがひどく低下して腎不全になると、尿毒症となり生きてはいけませんでした。しかし、透析が発達した現在、およそ30万人もの人が透析をしながら日常生活を送っています。ですが、透析では腎臓の働きのすべてを補うことはできず、食事をはじめ日常生活の中でいろんな制約が必要となっています。
これに対し、腎移植は腎不全の根本治療と考えられています。私たちはふたつ腎臓を持っており、生きていくうえではひとつの腎臓でも問題ありません。腎移植には健康な人から腎臓をひとつ提供してしてもらう生体腎移植と、亡くなった人からふたつの腎臓を提供してもらい2人の人に移植をする献腎移植があります。患者さんへの腎移植は、悪くなった腎臓はそのままにして、提供された腎臓をひとつ移植します。日本では年間、生体腎移植が1,000件、献腎移植が200件行われています。しかし、現在(2011年)なお12,000人の人が腎移植を待ち望んでおり、提供者不足が大きな問題となっています。
2010年7月から改正臓器移植法が運用されるようになり、脳死下での臓器提供が増えてきました。日本でも腎移植のみでなく、心臓移植などいろんな臓器の移植が普及することが期待されます。皆様には今後とも、腎移植をはじめ臓器移植へのご理解とご協力をお願いします。
(2011年放送)