眼科/翼状片

翼状片

 翼状片とは白目の表面を覆っている結膜の組織が過剰に増えて、黒目に進入してくる病気です。すなわち、白目が横の方から鳥の羽の先っぽのような恰好で黒目の部分に入り込んできて、黒目の丸い形が歪んでしまう状態になります。
 黒目に貼り付いたように白目が覆い被さって、ここだけ血管が多いので、いつも目が充血して赤く、美容上の悩みが起こります。稀には黒目の真ん中まで被さって来ることがあり、こうなると目の見え方まで悪くなってしまいます。
 何故こうなるのか、原因はよく分かっていません。建物の外で働く中年以降の男性に多いので、風やほこり、紫外線などの影響だろうと考えられています。その一方で、屋内で生活したり働いたりしている、比較的若い女性にも起こるので、体質も関係していると信じられています。
 残念なことに、目薬では治せません。手術で治すほかにありませんが、ただ剥ぎ取るだけでは、再発がざっと2人に1人の割合で起こり、眼科医にとってもこれが悩みの種でした。しかし結膜の移植や、ある種の薬剤の点眼で、再発は大幅に減りました。
 手術は黒目の上っ皮を剥ぎ取ります。そのため手術後の痛みが1~2日かなり強く、勤めのある人は1週間くらいの休業が必要です。それでも手術は、翼状片でお悩みの方にとっては挑戦に値するといってよいでしょう。一度眼科で相談されてはいかがでしょうか。

(2011年放送)