眼科/ウインクで黄斑変性を早期発見

ウインクで黄斑変性を早期発見

 眼の球をカメラにたとえたとき、フィルムにあたる部分が網膜です。その中心部を黄斑といい、視力やものを見るうえで非常に重要な部分です。
 この黄斑部が歳をとるなどの原因によって障害される病気を「黄斑変性症」といいます。
 この病気では、見ようとするものの真ん中あたりがかすんだり、ぼやけたり、黒くなって見えなくなったり、ゆがんでみえるようになり、視力が低下します。もし片方の眼に症状があったとしても、よく見えるもう片方の眼で字や景色を見ることができてしまうため、なかなかその症状に気づきません。
 そのため、早期発見には、片目をつむってもう片方の眼で格子状のシートやカレンダーなどを見て、前に述べた症状がないかを、確かめる必要があります。いったん黄斑変性と診断された後にも、症状の変化を確かめるのに有効です。
 治療法は、黄斑部の障害のタイプや程度を診断して決定されます。レーザーを照射する光線力学的療法や血管が新しくできるのを阻害する薬を眼の中へ直接注入する抗VEGF療法、またこの療法の組み合わせが主流となっています。内服薬やサプリメントで保存的に経過を観察する場合もあります。しかし、進行例や発症してから長く経った症例では治療も効果が出にくいため、早期発見、早期治療が重要です。ときどき「ウインク」をして、片眼づつの見え方の違いを確かめてみましょう。このことは、黄斑変性だけでなく、他の病気の症状に気づくことにもつながります。

(2011年放送)