鼻涙管閉塞症
涙は上まぶたの外側にある涙腺という所で作られ、目頭の上下にある小さな点から細い管を通って涙嚢という袋にたまり、さらに鼻涙管と呼ばれる管を通って鼻の奥に抜けていきます。泣くと、一緒に鼻水が出るといった経験はありませんか。実は鼻水ではなく、涙が鼻の中に流れ込んでいるのです。鼻涙管閉塞症とは、この涙の通り道である鼻涙管が何らかの原因で詰まってしまう病気です。
症状としては涙や目やにが常に出て、目が涙で潤み、まつげや目尻に目やにがたくさん付いてしまいます。原因としては先天的な原因と後天的な原因に分かれます。
先天的な鼻涙管閉塞は鼻涙管の形成異常です。出生時から涙や目やにといった症状が続いている場合は、先天的な原因が考えられます。一方、後天的な鼻涙管閉塞は鼻炎や副鼻腔炎など鼻の病気による場合や、目の病気である結膜炎からの細菌感染などにより起こります。
治療としては、軽度の場合は生理食塩水での洗浄や、細菌感染を予防する目薬を使用したり、目頭から鼻の脇に沿ってのマッサージをすることで詰まりを取り除く事が出来ますが、それでもよくならない場合はブジーという細い針金状の器具を使って、鼻涙管の詰まりを開放します。再び塞がることを防ぐためにシリコンでできたチューブを留置したり、骨を削って新たな涙の通り道を作ったりすることもあります。症状にこころあたりのある方はお近くの眼科医、耳鼻咽喉科医にご相談ください。
(2011年放送)