舌痛症(舌の痛み)
舌痛症は舌自体に異常がないのに、舌の先や横の部分にピリピリする感じや焼けるような痛みが続く病気です。受診した病院で舌に異常はないとの説明を受けても、不安や不満のためにまた他の病院を受診することになります。舌痛症は中年の女性に多く、特徴的なことは会話中や食べている時には痛みがないことです。
原因として、うつや不安など心理的な要因、あるいは舌の神経や頭の中の神経の障害が疑われていますが、まだ完全にはわかっていません。ただ、舌の痛みを引き起こす引き金になるものは多く、例えば口の中の乾燥感やカビ、亜鉛などの体に必要な微量元素の減少、義歯などの歯科的な問題、貧血や糖尿病など全身的な病気があります。
検査はまず、口の中や舌を十分に観察し、痛みの原因がないかを調べます。さらに全身的な検査によって痛みの引き金になる異常を調べることが必要です。中には、検査で舌がんなどの大きな病気がないことがわかると安心して痛みが取れてしまうことがあります。
治療は、まず痛みの引き金になる原因を治療していきます。貧血や糖尿病があれば内科的な治療、義歯に原因が疑われれば歯科での治療、カビに対する薬で治療を行うこともあります。これらの治療で改善がなく心理的な原因が疑われた場合は抗不安薬や抗うつ薬を処方したり、心療内科での治療を行います。
舌の痛みが続く時は、まず耳鼻咽喉科や歯科に相談されることをお勧めいたします。
(2011年放送)