耳鼻咽喉科/お年寄りの中耳炎

お年寄りの中耳炎

 中耳炎といえば主に子どもの病気と思っている方が多いと思います。しかし、お年寄りにも中耳炎はあるのです。特に、世の中が高齢化社会と言われるようになってから目立つようになってきました。
 この中耳炎は専門的に言うと、滲出性中耳炎という病気です。滲出性というのは身体の体液がしみだしてできるという意味です。細菌による中耳炎は炎症が強いので激しい痛みが起こるのが特徴ですが、この滲出性中耳炎は痛みが少なく、いつの間にか中耳炎になっていたというものでお年寄りには多いものです。かぜが先行することもあるのですが、気づかれずに中耳炎になっていたというケースが大半なのです。
 原因は高齢化に伴う耳管機能障害です。この耳管機能障害というのは鼻と耳を繋いでいる耳管という器官の働きが弱くなっていることです。耳管は中耳の気圧を調整するのが主な働きです。この耳管の調整機能が悪くなると、中耳内の気圧が下がり、耳に膜が張ったとか、詰まったと患者さんは訴えます。この状態が長く続くと、ついには中耳にある粘膜から体液という水がしみ出してきて、中耳の中に溜まってしまうのです。通常、軽い難聴を伴っています。いつの間にか難聴を起こすので、周りの人は「ぼけた」と誤って判断している時もあるのです。
 最近、急にぼけたとか急に聞き取りが悪くなったお年寄りが周りにいたら、一度耳鼻咽喉科の医師に診察してもらうことをお勧めします。

(2011年放送)