耳鼻咽喉科/扁桃周囲膿瘍

扁桃周囲膿瘍

 扁桃周囲膿瘍とは、文字通り、扁桃腺の周りに膿瘍ができる病気です。膿瘍とは、黄色や緑色のどろどろした膿がたまって腫れている状態のことです。この病気は、主に大人に多く起こり、どちらか片方の扁桃腺がひどく腫れて痛み、全身的に高熱も伴います。場合によっては、食事がのどを通らなくなったり、しゃべることもできなくなったりします。
 扁桃周囲膿瘍の治療は、軽症の場合は抗生剤で治ることもあります。しかし、炎症がひどい場合は膿のたまった場所を切開して、膿を出してやる必要があります。このような外科的な治療は耳鼻咽喉科の専門医でなければ難しいため、片方ののどがひどく痛む場合は、早めにお近くの耳鼻科を受診してください。
 この病気のこわいところは、重症になると呼吸困難になって窒息したり、敗血症などの生命にかかわるような合併症を起こすことです。そのため、扁桃周囲膿瘍を繰り返す人や、一度でも重症になった人は、一旦のどの炎症が落ち着いてから、再発防止のため、扁桃腺を摘出する手術をする場合があります。手術をするかしないかは、かかりつけの耳鼻咽喉科の医師と相談をしてください。
 もし、あなたの片方ののどがひどく痛む場合は、早めにお近くの耳鼻咽喉科を受診される事をお勧めします。早めの受診が重症化を防ぐポイントです。

(2011年放送)